プロジェクト通信
豊島の棚田では田んぼの木の根を起こしています。
こんにちは、コメづくりスタッフの高橋です。
近頃、桜の木もうっすらと赤く色づき、山の木々の葉の
緑色が濃くなってきたりと、春の訪れを感じています。
みなさんは、どんなところに春を感じていますか?
豊島の棚田の竹林(伐採済み)では早くも竹の子が顔を出し、
田んぼでは蓮華草(レンゲソウ)の花が咲いていました。

蓮華草は別名、ゲンゲとも呼ばれるそうです。
花言葉は「心が和らぐ」、「私の苦しみを和らげる」、
「あなたの幸せ」、「私の幸せ」だそうです。
化学肥料が普及されるまでは、レンゲソウは
その根に共生する根粒菌が空気中の窒素を
取り込んで蓄えることから、花後は有機肥料となります。
田植の土を肥やす目的でごく普通に栽培されていたとのこと。
「春の風物詩」として親しまれ、「春の季語」だそうです。
今年度は豊島の棚田の水田でもレンゲソウの種を蒔いて、
来年度は稲の有機栽培が出来ればいいなあと考えています。
さて、豊島の棚田では耕作予定地の田んぼの耕運を進めるべく、
耕運機をかける準備として、葛(カズラ)や茨や雑木の根を起こす
作業をしています。田んぼに木の根が残っていると耕運機をかける際に、
根がロータリーに引っ掛かったり、機械が浮き上がってしまったりで
作業がはかどりませんので、先に掘り起こすことにしました。
マメ葛や茨の根が張った田んぼの中には直径10㎝ほどの
雑木の切り株がところどころ生えていました。

上の写真のような切り株はつるはしや唐鍬(カラグワ)などを使って
株の周囲の土を掘っていき、周りに生えている根を切っていきます。

太い根は鋸で切っていきます。
太い株は掘り起こすのが大変ですが、ぽっこりと掘れた時の感覚が
すっきりしてくせになる感じです。竹の子を掘る時の感覚に似ています。
木の株以外にも、太い葛の根をひっぱったり、堀起こしたりして、
根を取っていきました。

とても地道な作業ではありますが、後の作業をスムーズに行う為には、
大切な作業です。一枚の田んぼの根を大体取り終えて、次の田んぼへ。
根起こしをする田んぼは枚数にして5枚程、面積にして2反ほど。
つるはしや鍬を使っての作業なので、日に日に腕っ節が強くなりそうな
感じです。
今週は、手押し式の耕運機を田んぼに入れるべく、畦道を広げる作業も
行いました。

上の写真が完成した畦道です。広げる前の道の幅は、半分程の幅でした。
道の谷側が崩れないよう、道の端に石を置きました。
棚田の田んぼでは畦道の幅が狭いところが多く、トラクターや
ミニユンボ等の大きい機械が入れない田んぼがほとんどです。
機械が入れない為、手作業が多くなり時間と労力はかかりますが、
その制限があるなかでいかに工夫して効率よく作業を進めていくか
考える必要があります。
棚田の作業効率のことを考えていると、昔の人はなぜこんな傾斜の
ある土地に田んぼを作ったのだろうかとの疑問が浮かんできました。
一体、機械もない時代にどのようにして開墾をしていったのだろうか。
棚田の謎に迫ってみたいものです。
豊島の唐櫃地区の棚田が出来たのは、標高340mの壇山のふもと
唐櫃岡にある、讃岐の名水「唐櫃の清水」という豊な水源が
あったからこそとのこと。

冬場は水に触ると寒いので、毎日通り過ぎてはいるものの足が
遠ざかっていましたが、久々に唐櫃の清水に足を運びました。
夏の暑い日作業の休憩中に湧水を飲みに来たことを思い出しながら、
改めて清水の水を飲むと、やはりミネラルを多く含んでいる為か、
水道水の味と違い、旨みがあるなあと感じました。
この湧き水は「霊泉越水」とも呼ばれ、その昔、弘法大師が喉の渇きを
潤す為、地面を掘ったところ、水が湧き出したと伝えられています。
現在でも、島の水道水源として、付近の田畑を潤す灌漑用水として
利用されており、島の人々の生活と密接に結びついています。
そしてこれからも島の人々の命の根源であり続けるのだろうな
というようなことを考えながら、清水の上にある清水神社社殿から
棚田と瀬戸内海を臨みながらほっと一息、しばしぼーっと過ごしました。

それではまた!

